こけし日記

読むことと書くことについて

普通を壊すための思考と実践の軌跡 『愛と家族を探して』佐々木ののか

佐々木ののかさんの『愛と家族を探して』を読みました。

 

この本は、佐々木さん自分の家族についてや恋愛についての体験を語りながら、
それと呼応するように、さまざまな家族にインタビューを重ねるというもの。

ノンフィクションとか、あるテーマにそって客観的に書かれたものというより、
映画でいうセルフドキュメンタリー的なつくりで、
それが今まであまりみたことがないタイプのつくりの本だったので、
面白いなと思いました。

印象的だったのが、137ページの

ロマンティックな関係でなくても、ずっとこうしてつながって、いろいろな話を本音でできて。恋人関係を超えた存在というか、むしろそのほうが最高じゃない?

 

という言葉。
家族ではないけどスペシャルな関係についてのインタビューで、
佐々木さんの普通を壊すための思考と実践の軌跡のようなこの本の締め括りにふさわしいなと思いました。

コンパクトで読みやすく、装丁もかわいらしいのでおすすめです。