『おやすみカラスまた来てね。』を読みました。
ドラマになった『あなたのことはそれほど』や『G線上のあなたと私 』の
いくえみ綾さんの漫画です。
恋人にうちを追い出され行くあてがなくなった十川善十が偶然たどり着いたバー「一白玆(いっぱくげん)」。
そこでべらぼうに美味しい一杯を飲んだことからその店で働くことになったものの……、
というお話なんですが、ファンタジーのありそうでなさそう感と
バーの非日常感がすごく合ってる!
バーってたまに行くけど、ちょうどこういう夢と日常のあわいの空間って感じがすごいする。
かといって物語は現実離れしているわけでなくて、
恋愛とか仕事とか家族とか日常のことを中心に進んでいく。
バーテンダーの業界漫画っていう感じにもなりすぎなくて、
地に足ついた大人のファンタジーって感じがして読みやすくて面白い。
それがいくえみ綾さんの漫画の、気持ちを全部セリフで説明しなくて、
表情や仕草といった日常でよくありそうな微妙なずれから
コミュニケーションの違和感を表現している感じとすごくマッチしてる。
舞台は北海道で実際の地名やお店も出てくる。
善十が働く一白玆も実在しそうに思えて、そこもいい。
コロナがおさまったら、北海道に行ってここに登場する場所やお店に行ってみたくなりました。