こけし日記

読むことと書くことについて

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

名前のない関係 『スーベニア』しまおまほ

しまおまほさん『スーベニア』を読みました。 しまおまほさんというと、祖父母は島尾敏雄と島尾ミホ、両親は写真家の潮田登久子と島尾伸三というクリエイター一家。高校生の頃『女子高生ゴリ子』や『しまおまほのひとりオリーブ調査隊』とか大好きでした!だ…

普通を壊すための思考と実践の軌跡 『愛と家族を探して』佐々木ののか

佐々木ののかさんの『愛と家族を探して』を読みました。 この本は、佐々木さん自分の家族についてや恋愛についての体験を語りながら、それと呼応するように、さまざまな家族にインタビューを重ねるというもの。ノンフィクションとか、あるテーマにそって客観…

北海道に行ってお酒を飲みたくなる 『おやすみカラスまた来てね。』いくえみ綾

『おやすみカラスまた来てね。』を読みました。 ドラマになった『あなたのことはそれほど』や『G線上のあなたと私 』のいくえみ綾さんの漫画です。恋人にうちを追い出され行くあてがなくなった十川善十が偶然たどり着いたバー「一白玆(いっぱくげん)」。そ…

メールのやり取りをのぞかせてもらってるような 青山ゆみこ、牟田都子、村井理子『あんぱんジャムパンクリームパン』

青山ゆみこさん、牟田都子さん、村井理子さんの『あんぱんジャムパンクリームパン』を読みました。ライターの青山さん、校正者の牟田さん、翻訳者の村井さんによる往復?3人だから交換かな?の書簡集です。 緊急事態宣言中に亜紀書房のサイトで連載されてい…

一言で面白いと済ませるにはもったいないお話が20篇も収録 藤野可織『来世の記憶』

藤野可織さんの『来世の記憶』を読みました。 この本には20篇の短編が収められています。どれから読もうか迷ってしまうので、パラパラめくってタイトルが面白そうなものから少しずつ読んでみました。どれもそれほど長くないので、電車の中や夜寝る前に読むの…

わたしの服いいでしょ!と言いたくなる はらだ有彩『百女百様』

はらだ有彩さんの『百女百様』を読みました。はらださんはイラストも文章も書くテキストレーター! これは服についての本、といってもファッションブックではありません。特徴はなんといっても常にジャッジに晒されがちな女性の服装に対して、はらださんがま…

疲れた心にじんわり染みる 餅井アンナ『へんしん不要』

餅井アンナさんの『へんしん不要』を読みました。「へんしん」は「変身」じゃなくて、「返信」の方。お返事不要のお手紙ということですが、誰に宛てて書いたものでしょう。 本はタバブックスのウェブサイトで連載されているものを書籍化したもので、 餅井さ…

歌謡曲って面白そう! 町あかり『町あかりの昭和歌謡曲ガイド』

町あかりさんの『昭和歌謡曲ガイド』を読みました。 町あかりさんは1991年生まれだけど歌謡曲にハマって、現在はシンガーソングライターとして活動しておられるそう。この本はそんな町あかりさんの歌謡曲愛をガイドさん風に「ドヤ顔!」「エモい歌詞!」とい…

女4人暮らしの家事にシビれる!あこがれるゥ! 藤谷千明『オタク女子が、4人で暮らしてみたら。』

藤谷千明さんの『オタク女子が、4人で暮らしてみたら。』を読みました。 さまざまな分野のオタクの女性4人が、生活費を削減しつつ快適な暮らしを実現するために、一緒に一軒家に住むという本。あんまり女性がハマるオタクカルチャーとか女性のオタクのコミュ…

「ひとり」の価値を思い出させてくれる一冊 アサノタカオ『読むことの風』

アサノタカオさんの『読むことの風』を読みました。 www.saudadebooks.com 本には2000年代始めからアサノさんが住んだり旅をしたブラジル 、アフリカ、日本各地といったさまざまな土地で書かれたたくさんの言葉が収められている。 アサノさんは編集者をしな…