こけし日記

読むことと書くことについて

英語環境の職場で働く(働き始めてから編)

前回の記事の続きです。
 

kokeshiwabuki.hatenablog.com

 

英語環境の職場で半年働いた感想です。

1)英語のレベル
2)英語以外でできること
3)ボス、同僚とのコミュニケーション
4)お客さんとのコミュニケーション

に分けて紹介します。


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1)英語のレベル

職場によると思いますが、単純労働であれば、
バンクーバーではネイティブレベルは求められていないと思います。
なぜなら、従業員もお客さんも移民が多いので、ネイティブらしく話すことよりも、
分かりやすいこと、伝わることの方が大事だからです。

 ・5w1hで質問できる
 ・同僚、従業員に質問できる、助けを求められる
 ・会話のテンポ、リズムがキープできるスピードで話せる

あたりができればいいと思います。
話すことよりも、聞き取りの方が重要だと感じるシーンが多いです。
質問や言われたことを聞き取れることと、それを自分が理解しているかしていないか判断できることが重要です。


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シアトルのパイクプレイスマーケット。夏はグースベリー、キュラント、ブラックベリーの季節。生食、ジャムにしたりして食べる



2)英語以外でできること

英語の出来不出来も大事ですが、それ以外に意識しておいた方がいいこともあります。

 ・仕事を覚える
 ・あいさつ
 ・笑顔
 ・声の大きさ

まあ日本と一緒ですね。

・仕事を覚える
仕事に関しては、覚えないとかミスが多いと割とすぐにクビにされます。
最初覚えが悪くて、この1週間でできないと辞めてもらうからって言われたことがありました。

・あいさつ、笑顔
お客さんとも、同僚とも、一言目があいさつです。
日本では礼儀ただしさという意味であいさつが重用視されるますが、バンクーバーだとフレンドリーさで親切心を示すという感じで、あいさつが大事にされていると感じます。
日本のレジだと早さと丁寧さが求められますが、それは二の次で、どちらかというと親しさをどの程度示せるかが大事にされているように感じます。
わたしは二つのことを同時にやるのが大変不得手なので、
レジうちと商品を袋に詰めるのは、無言でやっています。
なので、無愛想にならないように、
最初のあいさつと、目があったときに反射的に笑うように心がけています。

・声の大きさ
声の大きさは大事です。 
バンクーバーにいて感じるのは、こちらの人は体格がいいせいでしょうか。
声が大きい人、響く人が多いと感じます。
なので、余計にもごもごしたしゃべり方や小さい声は聞き取りにくいと感じます。
英語が通じにくいと感じている人は、発音、イントネーションの前に、声の大きさにも気をつけてみてください。

 

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UBCファームのファーマーズマーケット。黄色に、赤に、チャードがカラフル
 

3)ボス、同僚とのコミュニケーション
職場でうまくやるコツは、店や従業員構成によって違うと思います。
特に印象に残ったことを紹介します。

・遅刻
日本だと1分でもおくれると「迷惑だから」と、割と細かく注意されます。
2、3分くらいだと、「まあ2、3分だし大丈夫だよ」という感じで、大目に見る雰囲気があるように感じます。注意されても、「まあ2、3分だよ」っていうのを、ふつうに言い返しているのも、日本にはない感じだなーと思います。

・休憩
読書、ケータイ、外出等みんな好きなことをしていて、きっちり休むという感じです。店の電話に出たり、お客さんの対応を求められても、「休憩中だから」と断ったりしているので、オンとオフがきっちりしてる感じがします。

・休みの取り方
これも店によりますが、取りたい人には取らせてくれるという感じ。
その後のシフトに影響が出たり(大幅に減らされるとかめちゃくちゃ入れられるとか)、周りから何か言われるということはなかったです。

・つきあい
従業員は若い人は学生、主婦、フルタイムで長期で続けている人という構成です。
若い人同士は飲みにいったり食べにいったりということもあるようです。
休憩時間をバラバラにとる、仕事は持ち場が決まっていて、一人が一つの持ち場を担当するという形式なので、特に雑談をする機会もありません。顔を合わせてちょっと話す程度。なので、あまりお互いのことを深く知りません。
休みやすいし、従業員同士とくに綿密なコミュニケーションが求められていなくて、仕事さえしていたら特に干渉されることはないのでとても働きやすいと感じました。


職業、年齢、国籍等従業員のバックグラウンドはバラバラです。
例えばわたしは英語が苦手ですが、言われたことはやるとか、レジが早いというのがあります。一方エジプトからきたBさんは遅刻が多くレジも遅いですが、英語と中国語がしゃべれるので重宝されています。
英語環境の職場で働くからといって、英語がいちばん重視されるかっていうとそうでもないんですよね。むしろ、それぞれの長所を活かしつつ、でこぼこを皆でおぎないあっているというような印象をもちました。


だから、逆に英語が苦手と思っている人は、
他で人に負けないところを作るといいと思います。



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長野や北海道ではよく見るルバーブ。ジャムにしたりパイに入れて食べる


4)お客さんとのコミュニケーション

わたしはキャッシャーなのでレジうちがおもな仕事です。
レジは商品にバーコードがついていなくて、商品に割り振られたコードを打ち込んでいくという形式なので、結構集中力がいります。

(詳しくは仕事文脈 vol.8に書きました)

 

    


・スモールトーク
レジは、最初にあいさつして、スモールトーク(ちょっとした会話をする)をするのが一連の流れです。
最初のころ、何をしゃべったらいいかと副店長に聞いたら、天気の話でいいよ、と言われました。こういうところは日本の雑談とかと変わりませんね。

・商品知識
日本と違うなと思ったのはお客さんが商品について質問してくるところです。
なので、新商品が入ったらできるだけ味見をして、説明できるようにしています。
また、旬の季節を覚えることや、バンクーバーならではの野菜、バンクーバーの人がふだんの食事で使う野菜(アニス、コーラビ、ルバーブ、ハーブ類など見たことない、見分けのつかない野菜がわんさか・・・)や、中国のお客さんが多いので中国野菜を覚えることが最初は苦労しました。


・日本語
バンクーバーでは日本人が多いし、日本語を習っていた人、英語を教えたことがある人、日本に行ったことがある人に会うことが多いです。結構日本人ということで親近感をもたれて話しかけられたりします。日本語をしゃべりたいお客さんもいるので、そういうときは日本語で対応します。

いちばんのカルチャーショックは、お客さんの優しさと根気強さでした。あまり発音やイントネーションを笑うという人はいなかったのと、もたもたしていても、根気づよく待ってくれます
最初は結構もたもたしていたので、焦らさないでくれてかなりありがたかったです。



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副店長は料理が趣味でたまにランチを分けてくれる


次回は英語環境の職場で学んだ、コミュニケーションで大事だと思うことについて紹介します。

英語環境の職場で働く(仕事探し編)

今年の1月から地元のチェーン店の八百屋でレジ係(こちらでいうところのキャッシャー)をやっています*1

ちなみに同僚はみんな英語か中国語ネイティブ&お客さんは近所の人がほとんどで、こちらも英語か中国語がネイティブ。たまに日本の方が一日に1人か2人くればいい方という職場環境です。
英語環境の職場で働く
ことはバンクーバーで仕事探しをする人が目標にすることの一つだと思います。
わたしの英語はそんなに上手じゃないのですが、なんとか半年続いています。
そこで、英語環境での仕事を見つけたいという方の参考に、どういうふうに仕事探しをしたらいいかをまとめてみました。


 1)働きたい仕事や職場の条件を考える
 2)仕事探しの注意点
 3)面接にこぎつけるまで
 4)面接の注意点

 

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1)働きたい仕事や職場の条件を考える

適職に出会うためにはまず、条件を考えるところからスタート
です。
それは海外でも日本でも同じです。
とにかく求人の紙を見つけたらレジュメ(こちらの履歴書のこと)を渡すという強者もいると聞きます。しかし、レジュメを印刷したり配る労力や落ちたときのダメージを考えるとあまり効率的ではないでしょう。

そこで、まず

自分がどんな環境で働きたいか、

どんな仕事をしたいか、

どんなふうに働きたいか

を考えてみましょう。
といっても、高給で楽がいいとか非現実的なことを条件にしても意味がありません。そんな仕事はありませんから。

まずはざっくり
 ・パート/フルタイム
 ・飲食/それ以外
 ・日系/それ以外
あたりを考えるといいでしょう。

・パート/フルタイム
パートかフルタイムでは働きかたと収入が違います。家事や学校と両立したい方は、フルタイムで働いて家事や勉強する余力がなくならないかを十分に考えましょう。
それから、固定か、隙間時間に合わせてか、とにかく働きたいか、働きかたも考えましょう。

・飲食/それ以外
飲食とそれ以外というのは、飲食だとチップが含まれる場合があるからです。飲食だとハードだけどチップの分実入りがいいという場合もあります。短期でがっと稼ぎたい、安定して毎月稼ぎたい、等自分にどれだけお金が必要かを考えて、働きかたのプランを考えてみましょう

・日系/それ以外
日系とそれ以外というのは、使う言語と職場の雰囲気が違います。それまでのキャリアを生かせる人にとっては日系の方が有利だという方もいるでしょう。また、逆に新しいことをしたい、英語を使って働きたい、カナダにしかない仕事、という場合はたとえ条件が不利になっても日系以外の職場を見つける必要があります。
また、どれくらいの英語環境がいいのかも考えてみましょう。
まったく日本人がいない、経営は日系だけど同僚は日本人が少ない、同僚に日本人もいる、日系だけどお客さんはネイティブばかり等々、一口に英語環境と言っても違います。また直接お客さんとしゃべる機会の多いサーバーやキャッシャーなのか、それとも、お客さんと接する機会のないキッチンや裏方なのかで、違うでしょう。
自分がどれくらいの英語環境を求めているのかを見極めることも大事です。


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2)仕事探しの注意点

条件が絞りこめたら、次に
・家の近所/どうしても条件にあてはまるところ
で考えます。

なぜならたいていは給料に交通費込みだからです。
ちなみにバンクーバーの交通費は距離ではなく、ゾーンごとに料金がわかれていて、同一ゾーンなら90分同料金というゾーン制です。一月何回でも乗れるマンスリーパスを買うかどうか、その辺も含めて考えてみましょう。
自分の体力や働きかたのペースも考えましょう。

英語環境というのは思ったよりも頭が疲れます。

通勤時間が長いと、その分疲れもたまります。最初は余裕をもって働くようにした方がいいと思います。

・下見
一般の人が行けるお店なら一度行ってみて雰囲気を確かめましょう
元職員や従業員がいれば話を聞くのもアリです。
この辺は家探しと似ていますね。
条件はぴったりだけど、ちょっと合わないかも・・・と心にひっかかることは、あとあとまで響きます。

違和感には正直になった方がいいと思います。

 

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3)面接にこぎつけるまで

ここからが職探しの本番です。
レジュメの書き方、レジュメの見本等はワーホリ向けのサイトや体験記がたくさんあるので、こういったサイトを参考に探してください。

gotovan.com

 

chihirousagi: ワーホリ 仕事探しの方法

chihirousagi: 続・ワーホリ仕事探しの方法

 


できたらネイティブの人に見てもらうのがいいでしょう。
学校の先生、友だち、ホームステイ先等身近な人に見てもらうといいと思います。
わたしはそのとき通っていたESLの先生に聞きました。
レジュメを持っていったときにお店の人に聞いてみるというのもいいと思います(ただし邪魔にならないし、相手がオッケーしてくれた場合に限りますが)。
それに加えて、英文校正ツールのFree Grammar Checker | Grammarlyで一通りチェックしておけば、ばっちりでしょう。
(使い方は英文校正アプリGrammarlyが予想以上に高性能で感動という記事で紹介されています)


そして、ようやくお店にレジュメを渡します。
よく、オンラインでレジュメを申請というのもあります。
でも、その場で渡した方が確実だと思います。
ただし、オンラインのみ受付という場合はそれに従った方がいいでしょう。
求人の紙が張ってなくても、働きたいという意志を伝えておくことは損にはなりません。もしレジュメを受け取ってくれるようなら、渡しておくといいでしょう。積極さを自ら示すことは、評価ポイントになります
(といって、相手が今は求人がないと断っているのに無理に押し付けちゃダメですけど・・・)。

受け取ってもらっても、その人が採用責任者かどうかわかりません。
なるべく採用責任者に受け取ってもらいましょういないなら、出勤日を聞きましょう。「あとから電話する」と言われた場合は、いつ出勤するか聞きましょう。そして、その日に電話がなければ、こちらからかけ直しましょう。いつまでも待っていても返事がないということもあります。

電話のかけ方については、こちらの記事を参考にしてください。

 

kokeshiwabuki.hatenablog.com

 

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4)面接の注意点

面接では聞かれたことに正直に答えましょう。
面接といっても職種や業種によって違います。
お店でパート程度でしたら、普段着で、お店のバックヤードで5分程度面談という感じでした。わたしの場合聞かれたことは、経験と出勤日とパートかフルタイムかでした。
この辺は店によって違うと思います。

ちなみに、日本人であることが有利か不利かはよくわかりません。日本のお客さんが多い店や、日系のお店では日本人であることが有利になると思います。逆にいうとその店の従業員構成を見てみるといいと思います。特定の国に偏っていなければ、日本人だからといって特に問題となることはないでしょう。わたしの場合は経験と英語がどれくらいできるかで判断されているように感じました。

夏は求人が多いので、今はまさにジョブハンティングにうってつけの季節です。
求職中の人は、少しでも自分の希望に合う職場が見つかりますように!


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次回は働く上での注意点を書きたいと思います。

*1:働くまでのいきさつは『仕事文脈 vol.8』で書きました。

     

英語で電話をする

海外に住んでいると英語で電話をしないといけないときがあります。

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電話は対面よりもハードルが高く、非常に憂鬱になります。

あーいやだいやだ

と思いながら、かけたり出たりするのですが、
今回は日常生活の中で英語で電話するときに
少しでも憂鬱さを紛らわせるためのコツについて書きます。

1)下調べと発音練習
2)勢いが大事
3)とりあえずMay I speak to Japanese?
4)用件を伝える
5)わからないときは理由を言う
6)最終手段は面会かメール

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1)下調べと発音練習


用件について必要そうな言い回しや単語をググります。
ネットの辞書だと発音が聞ける場合があるので、
2、3回聞いて発音練習をします。
予約をしたい、とか忘れ物をした、とか質問がある、とか

短く
用件を言うのがコツです。

長い文は覚えられない&通じないから・・・。


2)勢いが大事

完璧にしすぎると、逆にハードルが上がるので、完璧じゃなくていいです。
第一声が大事なんで練習は発声練習程度に思ってください。
2、3回練習したら、電話をかけます。

こういうときは勢いが大事です。

電話番号を入力したら、すかさず通話ボタンを押しましょう。


3)とりあえずMay I speak to Japanese?

可能性がなくても日本語で会話できるかどうか一応聞いてみましょう。
ラッキーだったら日本語のできる担当者がいたりします。

4)用件を伝える

残念ながら日本語のできる人はいませんでした。
ここからが本番です。
まず練習通りに用件を伝えます。
大きな声で、恥ずかしがらず、
練習通りにやるのが大事です。
そしたら、相手と会話スタートです。
落ち着いて大きな声でゆっくりと詳細を伝えましょう。
ここで、相手のスピードが早かったり、
聞き取れないからといって焦ったりしてはいけません。

焦るとろくなことはありません。

5)わからないときは理由を言う

しかし、どうしても相手が何を言っているのかわからないときがあります。
そういうときは、変に相づちを打ってはいけません。
なぜなら相手はこちらが理解していると思って話を続けてくるからです。
わからないときはわからないと言いましょう。

そして、どこがわからないかを伝えましょう。
声が小さい
もっとゆっくり話してほしい
スペルがわからない
など、相手への要望を伝えます。
もし、聞き取りに不安があるなら、
復唱して自分の理解があっているのか確認するのもいいでしょう。

この辺は日本語の電話と一緒ですね。


6)最終手段は面会かメール

それでもどうしてもわからないとき。
最終手段は直接会うか、メールです。
多分3回くらい聞き返して分からないと、それ以上会話しても無理です。
連絡手段を切り替えましょう。


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おまけ

ちなみに電話はかけるより出る方が楽です。
なぜならかけるのはこちらの用件だけど、出るのは向こうの用件だから。
相手が用件がある場合の方が、聞き取ろうとやさしかったり、粘り強かったりします。
しかし、せっかく出てがんばって聞いてもセールスの電話だと、がっくりします。
しつこいときは、英語を分からないフリして切ったりするし。
最初は練習と割り切ってセールスの電話に出るっていうのもいいと思います。
英語で電話できる友だちを作って、雑談するのもおすすめです。

まあ今はWebでいろいろできる世の中なので、
電話する機会はこれからどんどん減ってくのかもしれませんが、
急用とかでどうしてもかけないといけない場合もあります。

会話と一緒で電話も慣れです。


それでもどうしても緊張するという人には、
佐々木倫子の初期マンガ『ペパミントスパイ
に出て来る、海軍大佐ご推薦単身赴任者のための料理本より
この言葉をおくります。

     

 

塩を入れすぎたからと言って 
塩の辛さ以上には辛くならないし 
味つけなどは少々間違っても 
それで死ぬということはない 料理などおそれるな! 
(海軍大佐)


文法、発音などは少々間違っても
それで死ぬということはない 電話などおそれるな!!!


趣味としての語学学習

英語というと今は受験や仕事のために必須でやっている人がほとんどだと思う。
それとは視点を変えて、今回は趣味としての語学学習について考えたい。

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わたしは語学学習は一生の趣味として最適だと思う。
語学が趣味にいいという理由はいくつかある。

  • 年をとっても続けられる
  • 成長の過程をはかる指標がある
  • 人生の役に立つ
  • お金をかけてもかけなくてもできる
  • やれば確実に伸びる

ほかにもあるだろうけど、ぱっと思いつくのはこの辺だ。

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・年をとっても続けられる
発音や聞き取り、単語の暗記等は若い頃の方が有利だと思うから、
始めるのは若い方がいい。
しかし、スポーツと違って体力が関係ないので、いつまでも続けられる。
しかも、年を取ることが有利になる。
似たような事例があったとか、同じような記事を読んだとか、
日本語で生活することで得た知識や経験が、
外国語の文章を読んだり、外国語でコミュニケーションするときに生きることがある。さらに、外国語学習はいくらやっても完璧ということはないから、
いつまででも続けられる。



・成長の過程をはかる指標がある
コミュニケーションできるようになるというのがいちばんわかりやすい指標だ。
しかし、日本にいたりマイナーな言語だとわかりにくかったりする。
ところが、語学にはいろんな検定試験があるので成長の度合いをはかるのに、
非常に便利だ。
コミュニケーションが取れるならテストなど不要という意見もあるけど、趣味として考えたときには、どのレベルにいるのか測れる指標があるのはありがたい。
わたしは上達しないとすぐ飽きるタイプなので、たまにTOEICを受けている。


・人生の役に立つ
これは言うまでもないことだろう。

わたしの場合は、受験勉強で英語に苦手意識があった。
二次試験で英語がいる国立大を受けたが、そのときの受験勉強が嫌すぎて、
大学に入ってからも英語はできない、やりたくないという苦手意識が強かった。
しかし、たまたま友だちが英会話学校に行くというので一緒に通うようになった。
やりだすと楽しくなり、意外に伸びてホームステイに行ったりした。
また、TOEICを受けるのに抵抗がなくなったこともよかった。
大学を出てからしばらく飽きたり忙しくてやらなかったけど、
たまたま結婚して海外に住むことになった。
全然基礎ができていないよりもずいぶん生活は楽だと思うから勉強しておいてよかったと思った。
こちらで知り合った人の中には、たまたま大学時代に受けたTOEICの点数が良くて、こちらの支社に転勤になったという人もいた。

こういうのは、ほかの趣味でも起こるだろう。
しかし、特に語学は人生でメリットになることが多い趣味だと思う。


・お金をかけてもかけなくてもできる
語学はお金があってもなくてもできるのがいいところだ。
お金がなくてもできる趣味は長く続けられるからいい。

大学のときの知り合いで、観光地に来る外国人相手に練習してしゃべれるようになったという人、クラブなどに出入りする外国人と友だちになって練習したという人がいた。
わたしは当時は社交的じゃなかったし夜遊びが嫌いだったので、英会話に行ったりうちで一人で勉強する方が性にあっていた。

お金があれば留学したり語学学校に行ったり、個人レッスンを受けたり、機会に恵まれるし、なかったらNHKの語学番組や外国人がよく来るカフェやバーでしゃべったり工夫のしようがある。
各人の収入や性格に合わせてあったやり方で続けられるのがいいところだ。


・やれば確実に伸びる
わたしは最初にTOEICを受けたのが学生のときで、300台後半か400台前半だった。
それを10年以上かかって300点近く上げた。
TOEIC学習ブログなどでは短期でそれくらいの点数を上げる人はざらにいるので、自慢ではない。
何が言いたいかというと、ゆっくりでもやれば伸びるということだ。

語学はすごいスピードで伸びる時期と、成長が止まる時期があるそうだ。
ちょうど伸びる時期にあたると勉強が楽しい。
TOEICの点数が150点くらい上がったことがあった。
そのあと成長が止まる時期に来たり忙しくなって、長い間勉強しなかった。
でも、また勉強し始めるとちょっとずつだけど伸びていた。
やればゆっくりでも確実に伸びるということを実感した。
また、スポーツや音楽と違って、才能やうまい下手ということを考えたり比較しなくていいぶん、楽に取り組める。

わたしは今英語をやっているけど、伸びる伸びないは語学との相性もあると思うから、語学は英語にこだわる必要はないと思う。
仕事の知り合いで英語はダメだけどスペイン語ならオッケーって言っている人、
日本語と韓国語は似ているからと社会人になってからマスターしている人もいた。

英語でもしゃべっていて聞き取りやすい相手/にくい相手とか、話が合う相手/合わない相手がいる。
それと同じように語学にも相性があると思うので、好きな国、興味ある言葉をやったらいいと思う。

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上記に加えて、一人でも複数でもできるところがいい。
文法や単語の暗記や聞き取りや発音の練習は一人でできる。
その上、教えたり教えられることで上達するから人ともつながれる。
だから社交的な人もそうでない人も続けやすい。

そういうわけで、わたしは老後の趣味として、
お金をかけなくても継続できて、人とつながれる手段にもなる
語学はよさげだと思っている。
もしできるなら違う言語にも挑戦したい。



バンクーバーで花見(バンクーバー A to Z[C: Cherry blossom])

4月1日でバンクーバーに来て1年になりました。
言い換えたらバンクーバーにいるのもあと1年。
折り返し地点を過ぎ、「来て○か月」から「帰るまで○か月」のカウントダウンが始まりました。

 

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桜と雪山がセットで見られるのもバンクーバーならでは

バンクーバーの春を告げるもの、それはサマータイムと桜だと思います。
2月から3月半ばくらいまでは雨続きの憂鬱な気候だったのが、
3月2週目にサマータイムが始まるとあっという間に春がやってきます。

サマータイムでは時計の針を一時間進めます。
これまでは夜の7時だったのが8時になり、急に時間の感覚が変わるので、
最初の2、3日はごはんを食べたり寝たりするタイミングがうまく掴めませんでした。
そして、サマータイムに切り替わった前後から、(時計の針を進めたのもあいまって)どんどん日が長くなります。
ちなみに今の日の入りの時刻は20時半。
晩ご飯を食べ終わってもまだ明るいです。
来た当初は慣れませんでしたが、今では日の長さを満喫しています。

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桜の開花は日本より早い。この写真は3月5日


桜が春の象徴なのは日本と似ています。
少し違うのは、ソメイヨシノが中心で1週間ほどで見頃が終わってしまう日本の桜と違って咲いている期間が長く、いろんな品種が楽しめること。
そして、お花見で飲酒できないこと!
(カナダでは野外での飲酒は法律で禁止されているんです)。

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一つの枝に花が密集している品種

来た当初バンクーバーにあまりにも桜がたくさんあるので驚きました。
しかし、元をたどれば日本が由来だそうです。
1930年代に神戸と横浜の市長がスタンレーパークにある第一次世界大戦の日系カナダ人の慰霊碑に捧げるために、バンクーバーの公園局に500本の桜の木を寄付しました。
1958年にはさらに日本領事から二国間の永遠の友情を記念して、300以上の桜が寄付されたそうです。
ほかにも和歌山からの移民が多かったスティーブストンでは、和歌山県人会から寄付された桜庭園があります。

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スタンレーパークの日系人慰霊碑と桜並木
(カナダの日系人は選挙権を求めて忠誠心を見せるため、第一次世界大戦に志願した)

 

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スティーブストンにある桜並木と記念碑

桜はバンクーバーの気候に合ったのか、またたく間に増えました。
公園局のサイトによると、1990年の調査で、バンクーバーにある8万9千本の木のうち36%つまり、3万2千本が桜だったそうです。
というわけで、バンクーバーでは2月末から4月中旬くらいまで、いろんな種類の桜が入れ替わり立ち替わり楽しめます。

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一部がピンク色の品種

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バンクーバーでよく見られる寒山という八重桜の種類 


バンクーバーの人も桜が好きなのか春先にはよくピクニック風景を見かけます。
まさか海の向こうでお花見を楽しめるとは思ってもみませんでした。
みなさんも春のバンクーバーでお花見、いかがでしょうか?

(お花見スポット)
・スタンレーパーク 
・UBC周辺(大学本部周辺、10th and sasamat st.)
・キツラノエリア(Arbutus st周辺)
・クイーンエリザベスパーク周辺(領事館から寄付された桜が見られます)
・スティーブストン周辺

(参考サイト) 
バンクーバー桜祭りWebサイト
http://www.vcbf.ca/education/history-of-our-cherry-trees



バンクーバーのリアルな食生活(バンクーバーA to Z:番外編[thefoodconection])

一年住んでみて感じたのは、バンクーバーは食べ物に関する関心が高いということ。

その理由の一つは、たくさんの民族がいて、その民族のもたらした文化が混じり合うンマルチカルチュラルな都市だから。
まちを歩けばいろんな国のスーパーやレストランがあり、いろんな国の料理にアクセスできます。さらにマルチカルチュラルな都市では、いろんな国の料理が融合して新たなスタイルが生まれています。日本の寿司がアボカドやサーモンと融合してウエストコーストスタイルのスシロールになったりしています。こういうふうに、自然といろんな国の料理に出会う機会が増え、食べ物への関心が高くなることが一つ。

もう一つは移民文化の国だから。生きていくのにまず必要なものが食です。移民したときにいちばん困るのはこれまでなじんできた食べ物をどう手にいれるか。自分の国で簡単に手に入っていたものが手に入りにくくなると、自作しようとしたり、代用品を探そうとします。

そういうわけで、バンクーバーでは食べ物に関心のある人、それもただのグルメじゃなく、主体的に関わろうとする人が多いと感じます。「主体的に」というのは、自分たちで作ったり、安全な食べ物を求めたり、地域のつながりや貧しい人でもアクセスできるようにするための団体や活動が多いと感じるということです。
そんな食に対するアプローチの多様さがおもしろいと感じ、今回はバンクーバーA to Zの番外編として、The Food Connection(フードコネクション)というバンクーバーの食に関する団体のことを紹介します。

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Foodconection(フードコネクション)では毎月最終水曜日に、食べ物に関するワークショップを無料で開催しています。

どんなワークショップをしているかというと・・・

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秋はぶどうジャム作りのワークショップ


ぶどうは町の公共スペースや庭の果物の木になっている果物を、
ボランティアがもいで地域に寄付する活動をしている
vancouver fruit tree projectという団体からの寄付によるものです。
地域の団体やプロジェクトとコラボしているときもあります。


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完成したジャムはそれぞれ持ち帰りできます。

春は家庭菜園のためのワークショップ
ビーキーピング(養蜂)の本を出したロリさん、市民農園をやっていて野菜作りに詳しいキャサリンさんがやってきて、参加者にアドバイスをくれました。

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種も無料で分けてくれます。

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さっそくまいてみました。今こんな感じで育っています。

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過去にはスロウクッカーという調理器具の使い方やレシピ交換のためのワークショップ、救急救命を学ぶワークショップなども開催されていました。

the food connectionのワークショップがおもしろいのは、
単なる料理教室じゃないところです。
食に関することならなんでも、食材、料理を作ることから食べることまで、
技術、情報のシェア、それから仲間づくりも目指しているところ。

この団体を立ち上げたのは、バンクーバーの小学校でガーデニングを教えているJoey (ジョウィー)さん。
友人2人と3年前に立ち上げました。
「現代は食べ物がどこから来ているかが分かりにくく、食べ物の作り方についての知識が薄れていることについて危機感を持った」ことがきっかけで、
「みんなで一緒に料理をしたり食事をシェアしたりすることで、食べ物に関するリテラシーを高めたい」と、この活動を始めたそうです。

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開始前に行われるポトラックパーティーもこのワークショップの魅力です。
ポトラックパーティーというのは、一人一品食事を持ち寄って集まること。

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この日は野菜を使った料理がテーマでした。

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ポトラックの魅力というのは、少ない予算でも一人一人料理を持ち寄ることで、いろんな食事がとれること、それぞれ持ち寄った食事から会話やコミュニケーションが生まれることだと思います。

それに加えて、カナダ人のリアルな食生活が知れることも魅力です。
特にバンクーバーでは移民が多く、なかなかカナダ生まれのカナダ人に会う機会がありません。また、スーパーやレストランといったちょっとよそいきの姿の食事を知る機会はあっても、カナダ人と友だちにでもならない限りは、カナダの家庭料理に触れる機会はありません。

カナダは移民社会であり、いろんなバックグラウンドを持った人たちが集まります。だから家庭料理にもそのバックグラウンドが反映されています。それぞれの家庭料理を味わえるのも楽しいです。


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同じものを食べると仲良くなるというのはよく言われることです。
それは、知らないものを食べている人は距離が遠く感じるということの裏返しだからです。知らないものを食べるのは結構ハードルが高いし、それを食べている人を理解したり仲良くなるのはもっとハードルが高い、というのは言い過ぎでしょうか。
だから、その人と同じものを食べたり、その人の食べている食べ物を知ることがその人と仲良くなったり知ることにつながると感じます。
食べ物への理解が即文化への理解につながる、というのは安直かもしれませんが、互いの食べ物を知ることは、バックグラウンドの違う移民たちが、うまくやる知恵の一つだったと思います。

そこまで難しく考えなくても、知らない料理や珍しい料理に出会えたり、
いろんな人と知り合いになったりするのは楽しいので、毎回参加しています。

みなさんも機会があればバンクーバーのリアルな食を味わいに参加されてはいかがでしょうか。

(The Food Connection)
http://www.thefoodconnection.ca

参加費 無料
   ※ただし一品持ち寄り形式
毎週水曜日にMount Pleasant Neighbourhood Houseで開催





レインクーバー(バンクーバーA to Z [R:Raincouver])

バンクーバーの冬というとこういう感じ

 

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をイメージする方も多いと思いますが、


残念!

 

実際はこういう感じ

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じめじめした雨の日や、

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どよーんとした曇りの日が続きます。

そう、バンクーバーは別名レインクーバー(Raincouver)
11月は気持ちのいい秋空が続くけど、
12月の2週目に入ると、太陽を見る機会はめっきり減って、
降水確率は70%、つまり、一週間のうち5日は雨が降っている。
しかも日没は16時半頃。
朝から雨とか、一日太陽を見ない日はザラ。

最初はこの気候に慣れず、室内で引きこもりがちになってしまいました。
料理をしたり、素人手芸をしてみたりするものの、
うちにいると鬱鬱とした気分が続くので、
重い腰を上げて外に出てみます。
すると、
バンクーバーの人たちのがとてもアクティブなことに気づきます。

日本のように傘を持っている人は少なく、
強い雨の日でない限りは
アウトドア用のレインパーカーと
防水のスニーカーやブーツで町中を闊歩しています。
中には自転車に乗ったり、
ジョギングをしている強者も。

何かとアウトドア派の多いバンクーバーの人たち。
もちろん天気のいい日は言うまでもありません。

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晴れた日には短い冬の太陽を精一杯味わおうとする人たちが、
海岸や町に繰り出します。
冬の晴れた日は視界がクリアで気持ちがいいです。
晴れの日は心なしかまちの人たちも
にこやかで機嫌がいいように感じます。

冬至を過ぎてからは、日が少しずつ長くなり、
木々が新芽をつけ始めました。
レインクーバーの季節が過ぎれば、もうすぐ春です。

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