こけし日記

たのしい台湾生活

英語の方が近い

今台湾に住んでいるけど、10年前に住んでいたカナダより外国に住んでいるという感じがする。

 


バンクーバーに住んでいたんだけど、バンクーバーはアジア人が多くて見た目だけいうと韓国人も中国人も台湾人も一緒に見えた。
使う言語は英語だったけど、英語ってまあ中学のときからやってるから下手は下手なりに語彙はだいぶ入っていて、八百屋に行ってもレストランに入っても、ラベルは読めるし何が入っているかわかる。
バンクーバーは移民が多くてかなり多様性とか人権に配慮していたので、差別に遭うこともほとんどなかった。
台湾は親日と言われていて、ららぽーともあるし大戸屋もあるし、いたるところにちいかわがいるから、正直日本の延長のようなものだと思っていた。でも、バンクーバーよりも外国に住んでいる感じがする。

正直、スーパーでもレストランでも、漢字を見てもどんな商品かわからないので英語を探したりしてるし、英語メニューをもらったり英語で注文したりしている。料理は日本の中華料理と違うし、油か肉のせいなのかおなかに合わないなと思うことが多くて、食べられるものが少ない。結局外食すると日本料理は高かったり台湾風の味付けになっていることがあるので、ハンバーガーとかパスタとかサンドイッチとか洋食を食べることになる。

文化だってカナダは(だいたいイギリス由来だけど)イースターもクリスマスも感謝祭もだいたい意味も由来も知っているけど、台湾は清明節も端午節も由来も風習もよくわからない。
信仰だってカトリック系の幼稚園に行っていたのでイエスキリストの話はわりと知っているし、生誕劇もやったし賛美歌も歌ったことがあるのでなじみがあるけど、台湾のあちこちにある廟を見たってなんの神様を祀っているのかわからないし、孔子も三国志もそこまで詳しいわけじゃないから由来もよくわからない。

台湾の方が外国っぽいと感じる理由のもう一つは、台湾での日本の扱い方。
カナダは移民国でもともと先住民がいて、そのあとにイギリス人やフランス人が来て、さらにアジア人とかほかの国の人が入ってくるようになった。
だから、はっきりした「カナダ人」がいるわけじゃなくて、いろんな国の人がいるなかに日本人もいて、カナダを構成する民族の一つが日本という感じ。戦前は日本人街もあったけど、そこまで大勢力だったわけじゃないし戦争中に追い出されているから集住地域があるわけでもないからそこまで日本が目立たない。
カナダにも日系の店があって寿司屋なんかはカナダの人向けにアレンジされて、かなりカナダナイズされていたけど、日系の店に行くと現地の日本人向けに日本のものが売られている感じで、そこまで日本フィーチャーされてる感じがしなかった。

でも、台湾は日本推しがすごい。
台湾も最近は移民が増えているし、先住民も多くて多文化・多国籍な社会ではあるけど、そのなかで突出して日本のものが目立つと感じる。戦前は日本が統治していたし、日本人が多かったから当然って言われるかもしれないけど、でも、もう100年くらい前で日本語世代だってほとんどいないのに。
なんとなく台湾のなかで日本のものはいいとか、マーケティング的に日本ってつけておけば売れるってイメージがあるのかもしれない。しかも、それが台湾の人が好きな日本、台湾から見た日本を拡大している台湾ナイズされた日本でほんとの日本からはちょっとずれているので、余計に違和感があったりする。

50年くらい前にアメリカがはやってなんでもアメリカとかニューヨークってつけておけばかっこよく見えたのと同じような感じで、日本が使われてるって感じがする。アメリカ人とか西洋人っていうだけでちやほやする人がいるみたいに、日本人っていう感じでクールでかっこよくてちやほやされる感じ。なんていうか、パンダみたいな・・・。
よく台湾は親日と言うけど、日本のものが多いとか日本が人気があるっていう意味で言ってるなら、それはちょっと違うんじゃないかと思っちゃったりする。

結局英語の方が近いって英語が国際言語であることと、日本がアメリカに占領されていた時代があって英語が話せたら有利だったから英語が話せたほうがいいという雰囲気が社会にあったことが理由だと思うんだけど、それこそ自分が英語帝国主義に染まってる感じがしてなんかショックだし、それで近い国との文化的な理解が疎外されてる感じもして、なんだかなあと思ったりした。

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カナダ暮らし体験記については、『言葉の地層』に書いてありますので、よかったら読んでみてください。

yagakusha.hatenablog.com