こけし日記

読むことと書くことについて

『デジタルミニマリスト』実践練習04

はじめに
たまたま読んだ『デジタル・ミニマリスト』という本が面白かった。
「デジタル・ミニマリスト」というのは、本当にやりたいことに集中するために、オンラインで過ごす時間を減らした人たちのことだ。この記事は、実践にあたり、自分の記録を通じて、実施についての注意点や、どんな効果があったか、成功するか失敗するか、もし失敗したらどこが悪かったかを検証するために書くものだ。

 

これまでの記事

 

kokeshiwabuki.hatenablog.com

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わたしはデジタル・ミニマリストになれたのか?

この本を読み、ルールを設定し、
11月20日に始めて、12月20日に終わった。
スクリーンタイムの記録によると、1週間あたりのスマホの使用時間が、
始める前は2時間46分で最終週が2時間9分だった。
正直これじゃあまり変化がない。
ある意味失敗だ。

 

本当に失敗か?
しかし本当に失敗と言えるだろうか?
この本は、1、基礎2、演習からできている。
基礎のとおりに使い方のルールを決めて、それを実行しようとした。
だけど前回も書いたように、わたしのルールは少し複雑で、徹底されてなかった。
時間を減らすためだったら、もう少しルールを厳格にすべきだったと思う。

しかし、この本はただSNSの時間を減らすためにデジタル・ミニマリストをすすめているわけではない。
この本のポイント2、演習にあるのではないかと思う。
演習で提案されていることは以下の4つだ。


1、一人で過ごす時間を持とう
2、”いいね”をしない
3、趣味を取り戻そう
4、SNSアプリを全部消そう


この4つにはそれぞれ目的がある。
たとえば、1をすすめるのは、現代人が「他者の思考のインプットに気を取られ、自分の思考のみと向き合う時間が限りなくゼロに近づいた孤独の欠乏状態(P129)」にあるため、一人で過ごして自分の思考と向き合う必要があるから。

2については、”いいね”はオンライン上での接続にすぎず、顔を付き合わせて行う会話とは違う。でもいいねばかりしていたら、人間の脳は接続と社交を取り違え、SNSはあくまでも連絡手段に過ぎないということを忘れてしまうから、なるべく顔をつきあわせたり電話などで会話した方がいい。

3については、人間は手仕事によって深い満足感を得ることができる。SNSが余暇活動になっていたら、質の低いデジタル習慣で時間を無駄にしていることになる。一方、手仕事のような質の高い趣味で余暇を過ごすことによって人生に充実感を得られる。

そして、4については、SNSは人の注意を惹きつけることで、広告収入を得てお金を稼ぐアテンションエコノミーの手段だ。そういうものと距離を取った方が人生の幸福度が増す

つまり、この本が提案しているのは情報や人の思考に漫然と流されずに、人生の充足感を自分で得ようということだ。

ただSNS時間を減らしたいじゃなく、よりよい人生にしたい、幸せを感じたいという点から見ればどうだっただろう?

得られた効果
得られた効果はたくさんあった。
まず、自分のインターネットやSNSの使い方を見直す機会になった。
それから、自分がなんのためにそれらを使っているのかも、整理するきっかけになった。

結局、自分はいろんなサービスを使いすぎということがわかったので、
まずはてなブログはやめることにした。
また、ブログ、noteは1週間に一回、書くことを決めてちゃんとした文章を載せることにした。
そして、TwitterFacebookも、気分で書かないことにした。
それまで漫然と使っていたSNSの使い方の方針が決まって、
向き合い方がだいぶスッキリした。

投稿するときは、これは本当に書くべきことか、投稿する前によく考えるようになった
人の気分に流されていいねしたり、リツイートしたりすることは減った。
徹底的なデジタル・ミニマリストになることはできなかったけど、
確実に生活を変えるきっかけをくれたように思う。

最後に
わたしがSNSを始めたのは2011年の夏からだ。
使い始めてもう10年近く経つ。
最初は気をつけていたのに、使いつづけるうちに、最初のころの注意深さはどこかへ行ってしまって、いつの間にかSNSを使う目的と手段が転倒していたことに気づけていなかった。
この本を読んで気づいたのは、目的と手段がごっちゃになっていた自分の姿だった。

最初はSNSを、宣伝、情報収集の手段として使っていたのに、
いつの間にかフォロワー獲得やリツイート数が目的になってしまっていた。


論争に勝ちたいとか、人気者になりたいといった承認欲求
あの人の方がリツイート数が多いとか、フォロワー数が多いといった嫉妬
意見の違う人にイライラしたり、論争したくなる喧嘩っ早さ
そういったものが先に来るようになって、
自分の嫌な部分が見えて自己嫌悪することもしばしばだった。
そのことに息苦しさを覚えながら、

やめたい、でも、やめられない、


という矛盾した気持ちで続けていた。

だけど、この本を読んで、もう一度何のためにSNSを始めたんだったか、見直すことができた。
わたしは完璧なデジタル・ミニマリストにはなれなかったけど、SNSに接するときに感じていた苦しさから逃れるヒントは確実にもらったように思う。
自分のSNSの使い方に疑問を感じたときは折に触れて読んでみたい。

SNSにちょっと疲れたな、自分の生活を何か変えたいな、
と思う人には是非おすすめしたい内容の本だ。