こけし日記

読むことと書くことについて

木ノ戸昌幸『まともがゆれる』シュッパン記念! 春のパンまつり」@スウィング(2019年4月6日)

『まともがゆれる』木ノ戸昌幸さんのトークショー「『まともがゆれる』シュッパン記念! 春のパンまつり」の司会をさせてもらいました。
パンだけに二人ともパンのかぶり物をしています。木ノ戸さんはサンドイッチでわたしはクロワッサン。

『まともがゆれる』と木ノ戸さんがどんな人かについてはこちらのインタビューを参考にしてください。
https://book.asahi.com/article/12094832

イベントの内容

もう、イベントの名前からしてやばいね〜って感じがします。
「パンまつり」のとおり、参加費はパンでした。
わたしはちょうどお取り寄せしていた、熊野のむぎとしのパンがうちにあったので、持って行きました。
もちもちして麦の味がしてすごくおいしいパンです。

あつまったのは菓子パン、ラスク(なぜか異様に率が高かった)、バゲット、デニッシュ、いろいろ。
当日西陣麦酒のビールもあったのですが、ここは福祉施設でビール造りをしているそう。
最近の福祉施設はいろんなものを作っているな〜とびっくりしました。
お客さんたちであつまったパンを食べながら我々のトークをゆるく聞く。
トークだけでなくふだんスウィングでしていることを体験してもらう会でもありました。箱折をしたり、昼休みにみんながしているというUNOをしたり。折ってる箱が生八つ橋だったのが京都っぽかった。
こうやって無心に手を動かしながら、その場で会った人といろいろおしゃべりするのは楽しいですね。

実はこのイベント、おみやげつき。
で、そのおみやげが本だったから、びっくり!
もう持っている人は、読んでほしい人に勧めてくださいと、推薦用の色紙までついていた。
何もかもが手作りで、シェアとか贈与とかがかすむくらいの大判ぶるまいぶりがすごいイベントだった。

出版イベントってやる意味あるの?

普通は買ってもらうために出版イベントをするけど、参加者全員にあげるなんて聞いたことがない!!
でもほんとに読んでほしいならそうするべきだよね、とも思ったりしました。
ここ10年くらいで出版イベントはすごく増えてきたし、実際自分が本を出したらなんかやって売ろうみたいな考えになる。でもイベント過多な感じもする。

毎日どこかで出版イベント。
正直入場料1000円とか1500円に本代、ドリンク代も入れたら、結構な額になってしまう。本を買わずにイベントだけ見て帰ることもある。
人が集まらないから無理に集めるときもある。出版関係者ばっかりになることもある。
来てくださる読者の方はありがたいし、一人でも来てくださるならやる意義はあると思うけど、そういう状況が続くと、「やることに意味があるのかな?」って思うときもある。

読者のアクションを引き出せるようなイベントを

前に山下陽光さんが、自著の『バイトやめる学校』をメルカリで売れって言ってたり、出版イベントはお金がかかって肝心の本が売れないから投げ銭とか無料でやるみたいなことを言っていた。
https://ours-magazine.jp/borrowers/yamashita02-01/

本って複製芸術だから、1人が書いたものを千人が読もうが、1万人だろうが100万人だろうが変わらないんですよ。売れば売っただけ入ってくるお金は違うんだけど、その関係も出版社と著者と本屋くらいで終わってるんです。でもほんとは、一番関係したいのは読者であって、読者同士がいかにつながるかとか、読んだ後にどれだけアクション起こせるかなのに、売って終わり。

なんかこれだよな〜って思った。
 
本って1人で読むものでもあるけど、コミュニティを作り出すものでもあると思う。
読者が集まったり、交流が生まれたり、読んだ人がどんな行動を起こせるかっていうところに本の価値はあると思う。

献本がどうとかちまちました話題が多いけど、ただ出して終わりじゃなくて、出したあとどんなことをするか。そこは忘れずやっていきたい。
読者にもっと働きかけたり、読者がアクションを起こしたり、読んだ感想をシェアしたり。そんなことを仕掛けていきたいと思いました。

次回は梅雨にあるそうです。チーズを持って集まりましょう!!
https://www.facebook.com/events/277724786441697/