こけし日記

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英語環境の職場で働く(コミュニケーション全般)

前回、前々回に引き続き、英語環境の職場で働いた感想です。
今回はコミュニケーション全般について感じることについて紹介します。

 

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英語環境の職場で働いて、いちばんカルチャーショックだったのは、
中国語圏の人たちのコミュニケーション法でした。

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チャイナタウンの風景


働いているお店が、中国南部出身の人が始めたお店であるということ、住んでいる地域に中国語圏の人たちが多いということで、従業員もお客さんも中国語を話す人がたくさん来ます。

中国語圏の人たちは会話が中国語ベースで、中国語が通じそうだったら中国語でしゃべりかけてきます。英語でいくら「I am Japanese.」とか、「I can't understand.」といっても全然通じません。
例えば、レシートを見て「値段が違うんじゃないか」とか、新商品を見て「味はどうとか」とかを、本人が英語が下手とかできないとか関係なしに、どんどん質問してきます。中国語なんて第二言語でとったきりですから、最初は困り果てて、適当な笑顔でごまかしていました。
でも、そうすると意思疎通できないことにイライラするお客さんがいたり、どうにか伝えようとねばるお客さんがいてレジが混んであとがつかえるのでよくないなと思い始めました。

ところがある日、別の中国系のカナダ人の2世で、英語しかしゃべれない従業員が中国語で話しかけてきたお客さんに向かって「ティンプトン」と言っているのを聞きました、すると、お客さんはそれ以上しゃべるのをやめることに気づきました。中国語で「わかりません」という意味の言葉です。
そう言うと相手はこちらが中国語がしゃべれないことを理解して、しゃべるのをやめるか、英語に切り替えてくれるのです。つまり、絶対中国語しかしゃべらないわけじゃなく、中国語が通じるなら中国語を話したい、という主義だったわけです。

日本の人は日本語通じるかな?という思いがあるので、相手が日本語がしゃべれるという確証がない限り日本語で話しかけないし、言いたいことがあってもよっぽど自信がないと伝えようとしないことが多いと思います。ところが、中国語圏の人たちの態度は全く逆だったので、ほんとに驚いてしまいました。
そのとっかかりを見つけてからは、わたしも「听不懂(ティンプトン)」と言って、相手が英語に切り替えてくれるか、通訳が必要かが判断できるようになりました。
また、適当に対応していた頃は相手も意思疎通ができずいらだっていて、お互いに感じが悪いという印象をもっていたのですが、ちゃんと対応できるようになると、最後にお礼を言ってくれたり、笑顔を返してくれたりするようになり、意思疎通できたという実感をもてるようになりました。


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わたしは昔から接客や電話対応等の場面が非常に苦手でした。
というのも、全然知らない人がいきなり来て、相手がどう出て来るかわからない状況で、こちらが意思表示をしたりいけなかったり、こちらの意図通りの商品やサービスを買ってもらわないといけないということがプレッシャーで、
緊張しすぎてぎこちなくなるというのがしょっちゅうあったのです。

もともとそういう性格な上、いきなり言葉がわからないところに放り込まれたので、
最初は結構おたおたとしていました。
しかし、言葉が通じない分、逆に言葉以外のことでコミュニケーションをはかろうとか、相手の意図を読みとろうとするように心がけるようになりました。
相手がどういう思考法や、コミュニケーション法を取ろうとしているかを考えて、相手のツボをおさえるのが大事だなと改めて気づきました。
それはコミュニケーションにおいてものすごく当たり前のことかもしれませんが、言葉にたよっていると忘れがちになることです。


それは同じ言語で会話するときにも共通することだと思います。
いろんな人の話を聞くと、1、2年で英語はそんなにうまくならないし、
日本で使わないうちに忘れると聞きます。
なので、語学を上達させることやネイティブらしくふるまったりしゃべることも大事ですが、こういうところを鍛えて、日本に帰ったときに役立てていけたらいいなと思っています。