こけし日記

読むことと書くことについて

海外で歯医者に行く(バンクーバー A to Z [D:dentist])

ハロウィンが終わった秋のある日、
歯を磨いていると、口の中から何か白いものが飛び出した。

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おかしをもらう子どもたち。夜は仮装した大人もいる

食べかすにしてはでかいなと思い、そのまま出かけた。
友だちのおうちで仲良くパン作り。
しかし、しゃべっているうちに、なんか口の中がおかしい。

つ、詰め物が取れている・・・。


食べかすだと思っていたのは、歯の詰め物だった。
左奥歯の詰め物が跡がぽっかりあいている。

はあ、またか・・・。

なんとかごまかせないかと思い、三日ほどそのままで暮らしてみたが、
食べにくくてしょうがない。
観念して歯医者に行くことにした。

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歯医者に行く途中の川。貯木場がある

カナダで歯医者に行くことを渋っているのは歯医者が嫌いだからではない。
わたしは大学生のときに歯医者でアルバイトしていたせいか、
歯医者に行くことに対してそれほど抵抗感がない。
バイトのたびに治療の様子や
痛みががまんできなくなるまで放っておいたり、
途中で治療を辞めてしまったっせいで手が施しようのなくなって、
歯を抜いたり治療費が莫大になってしまった人を見てきたので、
むしろさっさと歯医者に行った方がいいと思っているくらいだ。

むしろ、わたしが恐れているのは治療費だった。
カナダではMSPという保険があって、
月に所定の額を払えば薬代も病院代も無料で治療が受けられる。
無料はありがたいが、その分緊急時以外はすごく待たされるとか、
日本のような細かいケアは受けられないとかいろいろあるみたいだ。
しかし、その保険は歯医者はカバーしておらず、
自費で払うことになるため、恐ろしい額になる。
以前差し歯が取れて作り直すはめになったときは、10万円近くかかった。
まさかまた歯医者に行くはめになるとは・・・。

それ以上に難関は英語だ。
わたしが行っている歯医者は台湾人の先生がやっている。
治療も英語で行うのだ。
前回行ったときは、紹介してくれた人が予約してくれた上、
治療もついていってくれた。
今回は一人で行かなければならない。
気が重いが電話で予約をとる。
英語での電話のハードルは高い。
しかし、こういうときためらってはいけない。
グーグル翻訳やヤフー知恵袋を駆使し、
いくつか症状を説明する言い回しを覚えた、迷わず電話した。

プルルルル・・・

このまま誰も出ないで欲しいという気持ちとは裏腹に、
レセプショニストが電話をとる。
ヘタクソな英語ながら症状を伝えると、次は予約。
こういうときは聞き取りが肝心で、
困ったときはパードンでのりきる
自分の聞き取りに自信がなければ、
念押しのために聞き取れた通りに聞き返す。

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町には中国語の看板がたくさんある

電車は歯医者のあるリッチモンドへと向かう。
時間通りに着くと、早速診察室へ直行だ。
症状を伝えると、あとは口をあけるだけ。
ときどき、「バイト(かんで)」とか「リンス(すすいで)」とか言われる。
詰め物を詰めるだけだったので、特に複雑な治療ではなかった。
治療費も前回ほど高額にはならなかった。


いろんな人から言われたのは、
歯科治療はこちらの方がすすんでいるから心配することはないらしい。
とはいっても英語でコミュニケーションする不安は大きいし、
治療費が高いのも困る。
わたしの歯に、どうか日本に帰るまで丈夫でいてほしいと願うばかりだ。

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ハロウィンが終わればクリスマスがやってくる

※カナダの保険によっては歯科治療をカバーしているものもあるし、
海外旅行保険によっては日本で払い戻しの手続きができる場合もあるらしいです。
今回は観光案内じゃなく、海外旅行に行かれるみなさんは、
海外旅行保険に入ることをお忘れなく!というお話デシタ。